床維持剤の知識(ワックス)

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現場責任者研修手引き(清掃部門)

床維持剤の知識(ワックス)

ビルクリーニングにおいて床の維持管理は最も重要な管理事項の一つです。ワックスはいろいろなビルの床材にさまざまな条件下で塗布されるので、使用上の問題点をよく認識して作業を行う必要があります

種類と用途

(1)樹脂ワックス
主としてビニル床に塗布される
石材、木床、コンクリート床にも使用可能で最も用途が広い。塗るだけで透明な光沢を持つ強靭な皮膜をつくる
(2)半樹脂ワックス
主としてビニル床に塗布される 樹脂ワックスと水性ワックスの中間的な性質のもので、塗るだけで艶が出、除去もし易く扱い易い。皮膜は表層が”ロウの粒子”、内層が”樹脂のフィルム”
(3)水性ワックス
主としてビニル床に塗布される
塗布下だけでは光沢は得られない。皮膜は耐久性がなく汚れもつきやすいため、短い周期で塗り替えなどを要し、使用は激減している。但し、除去が容易であるので、引渡し清掃などで使われる
(4)乳化性ワックス
コーティング(塗装などの被覆加工)されていない木床、特に白木の床の艶出しに使われる
(5)油性ワックス
コーティングされていない木床、フロアーオイルを使用した木床に使われる

使用上の問題点

問題点1:造膜性(樹脂ワックスの床面への密着度)と粉化現象
造膜性が悪いと耐久性が悪い上に皮膜が粉化現象(パウダリング)を起す(樹脂ワックスがきちんと皮膜を造ることが出来ず、白い粉状になって剥がれてい。
原因
  • 洗浄作業時の汚れの除去や仕上げ拭きが不十分
  • 低温度時の塗布(5。C以下になると連続皮膜を造ることができない)
問題点2:皮膜の光沢
床材の材質によって樹脂ワックスの吸い込み量に差があるので、吸い込みの多いほど光沢がよくない
乾燥不十分な上に重ね塗りすれば、全体または部分的に白く艶がボケたように”つやびけ”を起す
問題点3:皮膜の厚さと重ね塗り
樹脂ワックスの標準使用量は1リットルにつき100m2で、これによって1~1.5マイクロ(1マイクロ:1/1000mm)
重ね塗りは時間的間隔をあけて塗れば耐久性と光沢が得られる
問題点4:皮膜の変色
樹脂ワックスの成分であるアルカリ可溶性樹脂のうちの一部が変色し、またアルカリ分が床材の成分中の顔料などと反応して起きる

樹脂ワックス塗布の注意事項

湿式モップ房糸操作
  • きれいなものを水で濡らして絞って使用
  • 塗布するときに力を入れすぎると気泡が出来て残り見苦しい
  • 幅木にワックスを絶対につけない
  • 床面の乾燥を確認してから塗布する
1回目(1層)のが最重要
塗布・塗りムラ、カスレなどは濃色な床材ほど修正ができないので、1回目をていねいに塗布する
厚塗り
  • 湿式モップにワックスを多く注ぎすぎると隆起ができる
  • 乾燥に時間がかかり、塗膜内部が乾燥しないことがあり、またムダである
薄塗り
  • 湿式モップにワックスを少なく注ぐとかすれる
  • 造膜不十分で、粉化現象を起す
重ね塗り
  • 未乾燥のままの重ね塗りは最も避ける
  • 光沢が得られず、つやびけを起し、汚れもつきやすくなる。
    粉化の原因にもなる
乾燥
  • 強制乾燥は避け、2回目は30分以上経過してから塗布する

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現場責任者研修手引き(清掃部門)
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